柳葉 仲合、同盟会話
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仲合会話
柳葉飛絮
柳葉:うん。
彼は頭を上げて私を見て、微笑んだ。顔いっぱいに笑うさまは、とても美しく、天使のようだ。
無剣:何を描いたの?
柳葉:梨の花です。どうですか?気に入りました?
無剣:ええ、とても上手に描けてるね!とっても素敵だよ。でもなんで梨の花を?
柳葉:どうしてですか?梨の花を描いちゃダメでしたか?
無剣:そうではなくて。ただ梨の字は離の発音と一緒で、離れるという意味があるから寓意としてはあまりい良くないみたい。
柳葉:そういうことなんだ……じゃあ今度は柳を描こう。
彼は絵巻をもって私の前に来るや、口元に笑みを浮かべた。それはまるで早春のよそ風のように、暖かい気持ちになる。
無剣:え?どうして?
柳葉:もし梨の花は離れるという意味があれば、柳は引き留めるという意味があります。
柳葉:別れを告げて、風になびく柳…。詩経にもあるように昔はお互いに柳の枝を贈ることで相手を引き留める意味もありました。分かってくれるといいのですが…。
無剣:ふふっ。誰も柳葉みたいな優しい人のそばから離れたくないよ。
柳葉:しかし……この世に生きている限り別離は避けられない。もちろん、できればですが……
柳葉:できれば、皆さんが永遠に楽しく、煩悩と憂いなく生きられたらとが望んでいます。もっと言えば……死と苦しみも経験せずに済めばと。
話しながら、彼はどこか別のところを見ている。その目つきは意味深いものの、人に安心させる力があった。
無剣:うん!その望みはいつかきっと実現できるよ!みんな平和に暮らして、危ないことも……死も……ない。
柳葉:死もないですか……
彼は少し笑い声を漏らした。
柳葉:生きている限り死なない人はいないですよ。これはあくまでも望みです。
無剣:柳葉……
柳葉:なに?
無剣:いつもみんなのことばかり考えて、自分のために考えたことはないの?
柳葉:けど……皆さんに喜んでもらえれば、私もうれしくなります。だから皆さんが幸せになれるなら、私は満足です。
無剣:柳葉は……いい子だね……
柳葉:この世にいい人だけいればいいのに……
無剣:でもいい人もいれば悪い人もきっといるよ。その人たちがあなたにとって嫌なことをしたら、あなたも同じようなことをする?
柳葉:いえ、私の友人さえ傷つけなければ。
無剣:じゃああなた自身は?
柳葉:……
無剣:あなたはいつもそうだ。一度も自分を顧みたことがない……ねえ柳葉、私に絵を描いてくれる?
柳葉:何がいいですか?あなたが好きなものは、全部描けますよ。
無剣:今は春だから、柳がそよそよとなびき、柳絮が宙を舞っている。まるで江南の雪のようだ。これを描こう。
柳葉:分 か り ま し た 。
彼は画仙紙を広げ、筆を持って描き始めた。風と共に空を舞う柳絮は彼の筆で画仙紙に描き出された。
彼は真剣な表情を浮かべ、けども優しさに溢れている。画仙紙の上に描かれた柳の緑の葉は、まるで新しい魂を与えられたようだった。
願汝長安
柳葉:遠くには行きませんよ。そうだ、少し待っていてください。
私は興味深げに彼が立ち去る背中を見ていた。暫くすると、彼は自生していた果実をいくつか持って来た。
柳葉:喉は渇いていませんか?良かったら、この果実を食べて喉を潤してください。
無剣:あ、ありがとう!柳葉優しい!
柳葉:あとお腹が空いていませんか?食べ物を探してきますよ。
無剣:うん、ちょうどお腹がすいてきたな。けど……何を食べさせてくれるの?
彼は少しぽかんとした。どうやらこの問いかけに困ったようだ。
無剣:まさか獲物をとってきて焼くの?うさぎ?それとも鳥?
柳葉:うさぎはあんなに可愛いのに、殺して食べるのは、あまりに残酷で……
無剣:私もそう思う……
柳葉:鳥は空で生きているだけで大変だというのに、殺して食べるのは、なんて罪深い……
無剣:私もそう思う……
私たちはお互い顔を見合わせて黙っていた。最後には彼が立ち上がり、また果実を取ってきた。
無剣:果実は満腹には出来なそうだけど…
龍骨、あの棗の木と一緒に生きていた少年のことを思い出す。
柳葉:少し間だけ我慢してくださいね。果物を食べても空腹感を覚えるだけですから。
無剣:柳葉は昔漂泊した時もこういう問題があったの?
柳葉:ありましたが……そんなに困ることはなかったですね。
無剣:今と同じように果実を食べて飢えをしのいだってこと?
柳葉:そうです。でも当時は主がいて、彼はいつも鳥獣を狩ってきていました。
無剣:え?あなたは彼を引き止めなかったの?
柳葉:ええ……引き止めませんでした。私が殺生が好きではないからといって、彼を引き止めることはできませんでした。彼は私の友達ですから。
無剣:柳葉って……本当に……優しい……
無剣:そういえば、ずっと漂泊している間、どこかに家を建てることを考えたことはないの?
柳葉:ないです。というのも……
柳葉:江湖を渡り歩く旅をし続けています、少しずつ、住めば都という言葉の意味を理解できるようになりました。分かち合ってくれるひとさえいればどこでもわが家です
無剣:そういうことなんだ…
柳葉:そう。私が安心できる場所こそが、私の居場所です。
無剣:その居場所は見つかった?
彼は少しぽかんとして私を見つめるや、微笑みを目の底に潜め、そして極めて優しい目つきに変わった。
柳葉:ええ、もう見つかりました。
無剣:え?どこに?
答え知りたさに彼を見つめる。彼はただ笑って何も言わないまま、その手で私の少し乱れた髪の毛を整えてくれた。
無剣:ええっ?何?一体どこなの?言えないこと?
柳葉:私の目の前にいますよ……
命若浮き草
柳葉:大丈夫ですよ、明日もありますから。
無剣:うん!えっ、何を?
柳葉:夜風が涼しくなったので、もう一枚服を羽織れば風邪を引かすに済むでしょう。
無剣:柳葉は寒くないの?
柳葉:大丈夫です。寒くないですよ。
私たちは前に歩く。夜の風は確かに涼しくて私は体を縮こまらせた。前方から光が差しているのが見えたが、それがどこからきたのかが分からない。
無剣:そういえばおかしいな、ここは見慣れない。ここには来たことがないような……
柳葉:え?来たことがないんですか?
無剣:ないよ、気づいてないの?おかしいな、ちゃんと歩いたのにどうしてここに来ちゃったのかな。
柳葉:暗がりで道を間違えて、別の道を進んでしまったのではないですか?
無剣:別の道を?そんなはずないと思う。真っ直ぐ歩いてきたから、角を曲がることもしてないし、おかしいな……
柳葉は頭を横に振った。
柳葉:私たちが気づいていないだけかもしれません……
無剣:そうかも……少し不安だったから考えすぎたのかもしれない……
彼は少しぼんやりして、ため息をついた。
柳葉:あなたの推測は正しいかもしれません。その……ただ……暗くて道が分かりづらかったので……私は、あまり悪い方には考えたくはなくて……この世界は優しいから、私たちも……
無剣:柳葉も悪くないよ。私の考えすぎかもしれないし。来た道を戻ろう。
柳葉:分かりました。
私たちは背を向けて、来た道の方向へ進む。その途中で、彼の足が止まった。
無剣:どうしたの?
柳葉:虫の羽音が聞こえませんか?
無剣:え?聞こえないよ。どうしたの?まさかここになにか虫でもいるの?
柳葉:多分……私の聞き間違いです……
そのまま進もうとしたとき、彼は表情を僅かに変えた。今まで落ち着き払った様子だった彼の雰囲気も同時に変わる。
無剣:どうしたの?
私は少し焦った。彼は体を僅かに揺らして私に笑いかけてきた。相変わらず人を安心させる笑顔だ。
柳葉:何でもありませんよ。行きましょう……
無剣:本当に?今……あなたは……嫌な予感がしたんでしょう?
柳葉:大丈夫です。行きましょう……
無剣:待て!
異様さに気づいて何かを言いかけた時、突然風が激しく吹き荒れ、一つの巨大な影が私たちの方に突っ込んできた。
柳葉:危ない!
無剣:えっ?柳葉!柳葉!
彼はとっさに私を覆うように前に立ち、続いて後ろへと倒れた。私は彼を支え上げてぎょっとした。空気に血の匂いがする。
無剣:あれはなに?柳葉、柳葉?大丈夫?
柳葉:大丈夫です……安心してください、あれはもう……死にました……
無剣:体が冷たいよ、もしかし怪我してる?あれは一体なんなの?
柳葉:わかりません……
無剣:あ……あの声を聞いていたんでしょう、なぜ殺さなかったの?そうすれば攻撃されずに済むし、あなただって……怪我なんか……
柳葉:あれがあなたを攻撃するとは……思っていませんでした……
柳葉:先程まで私は……あれに故意などないと思っていて……故意ではないのならあれを……殺してはいけないと……ただそう思って……
無剣:じゃあ……なんでさっき……殺したの?あなたは……
柳葉:あれはあなたを傷つけようとしました……あれが……私を傷つけるのはかまいません、ですが……私の友達を……傷つけることは許せない……
無剣:そっか……あなたにとって、友達は自分の命よりも大切なんだね……
それを聞いて彼は笑った。夜の涼しい風も、その笑顔が染み渡って暖かくなってきた。
楊柳依依
柳葉:大丈夫です。少し休んだら良くなりました。ほら、もう立てますよ。
無剣:そういえば……柳葉、今回の出来事なんだけど、すごくおかしいと思う……
柳葉:偶然だと思いますが……あれはたまたま私たちと出くわしただけで……
無剣:柳葉……
柳葉:ん?どうかした?
無剣:私が思うに……いえ……なんでもありません……偶然だと信じましょう……
魍魎:ゴゴゴゴゴゴオォォ!
無剣:誰だ?
無剣:…き…君は…柳葉!しまった!魍魎だ!
柳葉:……
無剣:何でここに魍魎が?
私は柳葉の前に立った。柳葉は今怪我をしている、当然私が守らなくちゃいけない。ところが、まだ一歩も踏み出さないうちに、柳葉の手が私の肩をしっかりと押さえた。
無剣:えっ?柳葉?一体何を?
柳葉:先に行ってください。
無剣:先に……行ったら、あなたはどうするの?
柳葉:私は一人でも大丈夫ですから。
無剣:でも怪我しているじゃないか!あなたを見捨てられるわけがない!
柳葉:私を信じて、一人でもなんとかなります。あなたがここにいたら、あなたを傷つけてしまうかもしれません。私のせいで友達が傷つくことは嫌です。
無剣:柳葉!!
彼は私に笑いかけると、背を向けて一歩踏み出し、私の盾となった。
私は彼を見つめる。彼は相変わらず穏やかに笑っているが、背筋が真っ直ぐに伸びている。怪我をしてもなお、少しの恐れも見えない。
魍魎:ゴゴゴゴゴゴオォォ!
魍魎は私たちを見るや、飛びかかってきた。
柳葉:どうしても行きたくないというなら、少し離れていてください。
そういって、彼は腰に差した刀を抜いた。目の前が、まるでひらひらと舞い落ちる柳の葉のようにふわふわする。
風に抱き上げられたかのように、ふわふわと舞っては落ちるてーーけれども一瞬で、その葉の全てが冷たい血の色に染まった。
見た目は脆く見えるが、刃のように鋭い。
無剣:危ない!
柳葉:うーん
また巨大な何かが暗闇の中から出てきた。私は無意識に動き、あれが体を武器に柳葉へと飛びかかろうとした瞬間、彼の前に立ちはだかった。
無剣:っひゃ!
思わず目を瞑る。暫くしても、痛みは感じなかった。
柳葉:あなたという人は、本当に、ばかですね……どれだけ危険なことをしたのか、分かっているのですか?
無剣:あ……柳葉!大丈夫?
柳葉:大丈夫です……構えていたので、怪我に至りませんでした。魍魎も私たちに殺されました……あなたこそ……
柳葉:さっきはどうして突っ込んで来たんですか?どれほど……どれほど危機だったか、分からないのですか?
無剣:けど……柳葉だってこうやって私を助けたこと、あったでしょう?あの時自分のことは考えた?
柳葉:俺は……
彼はぽかんとして私を見るや、伸ばした手が私の額をそっと掠め、優しく真摯に笑った。
柳葉:ありがとうございます。
同盟会話
○○の柳葉:気持ちだけでは大切の人を守りきれない。
○○の柳葉:…だからこそもっともっと強くなりたいのです。
○○の柳葉:いつか風に揺れる柳葉が喉を切り裂く鋭い刃となったとき、私はやっと多くの人達からの恩情に報いることができるのでしょう。
○○の柳葉:楊さんは私の命の恩人です。
○○の柳葉:あの日、町を守るために魍魎と死闘していたところ、力不足で重症を負ってしまいました。
○○の柳葉:ですが、幸いにも楊さんが手を貸してくれました。でなければ今日まで生きていなかったでしょう。
○○の柳葉:今の剣境では不安定で、何が起こるか分からなくて。
○○の柳葉:これからさき挫けそうになっても、どんな異変が起こっても……
○○の柳葉:どうか、本心を諦めずに歩き続けてください。
判詞
二句目 別れる悲しさが心に沁みた
三句目 浅い青色が周囲を染めて
四句目 黄色い服を身に纏い、か弱さを醸し出す
五句目 水に沿っても跡を残さずに
六句目 吹雪に遇っても服に滲まず
七句目 浮生は尽きることなく
八句目 あの人にずっと付き添いたい
コメント(1)
コメント
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・楊さんは私の命の恩人です。
あの日、町を守るために魍魎と死闘していたところ、力不足で重傷を負ってしまいました。
ですが、幸いにも楊さんが手を貸してくれました。でなければ今日まで生きていなかったでしょう。
・今の剣境は不安定で、何が起こるか分からなくて。
これからさき挫けそうになっても、どんな変異が起こっても……
どうか、本心を諦めずに歩き続けてください。
・気持ちだけでは大切の人を守りきれない。(大切「な」の間違い?原文)
…だからこそもっと強くなりたいのです。
いつか風に揺れる柳葉が喉を切り裂く鋭い刃となったとき、私はやっと多くの人達からの恩情に報いることができるのでしょう。0
削除すると元に戻すことは出来ません。
よろしいですか?
今後表示しない